定例会議というものについて
いま勤めている会社の事業部は、幸いにも協力者が増えてくれたおかげで、ここ1年くらいで人数がとても多くなった。そういう中で、これまで普通に続けていた会議の頻度・内容・参加者が、どうやらいまの状況に合わなくなってきている、ということが度々議論されるようになってきた。
問題となっていたのは、各チームの進捗を共有したり、直近一週間のタスクの優先度を決めるような、いわゆる「定例会議」的なもの。
議論された問題は、例えば以下のようなものだった。
- 直接的に自分の業務への影響度がかなり低い情報をたくさんインプットしなくてはいけなくなっている
- ファシリテータが、たくさん出る会議中の発言を収集しきれず、すぐに紛糾してしまう
- 結果的に時間内に合意を取ることが難しくなる
これまで(1年前くらいまで)事業部は非常に少人数で、会議の場で全員がたとえ自分の業務に影響度が低い情報をインプットしていたとしても、その量も少ないし、短時間で処理できていた。また、合意を取るのも比較的簡単だった(OK?なんか意見ある?というのを一人ずつたずねても大して時間がかからないくらいの人数)。
じゃあどうしたのかというと、
- 定例会議で議論される内容を見直し本当に必要な人だけが参加するよう人数を減らすガイドラインを作った
- 単純に会議の確保時間を短くしてみた(1時間 -> 40分)
- 会議の内容をボリュームダウンし、チーム内で完結するような話をできる限り持ち込まないように合意した
というようなことをやってみた。
もっといろいろなことを考えた気がするが、だいたいこんな感じ。
結果、基本的にはうまくいっており、かなりストレスがなくなっていった。会議に充てていた時間も作業に集中できるし、全体としての効率が改善しているのを感じる。なるほど、こうやって組織はチームごとに動けるようになっていくのか、とすごく良い流れだ。
ただ、一方で、少し不慣れな部分もあり、結果的に発生してしまったデメリットもあると感じている。
例えば、
- 基本的に議事録を追わなければ全体的な状況を把握できないので議事録に情報が不足していると、わからなくてストレスが蓄積してしまう(結果、それの確認のために時間をとってしまう)
- 定例会議に参加しなくなった人たちのために、共有用の別の定例会議をチームごとに実施しなくてはならず、その両方に参加してもらっているマネージャーやプロダクトオーナーが逆に時間をたくさん取られてしまうことにもなっている
とかである。これらは、もう少し適切な議事録を取ることを強く意識してトレーニングしたり、全体として少しずつでも時間を短縮できるように工夫していけばそんなに大きな問題にならないはずだと思っている。
あとは、一番気をつけたいのは、会議の場でそこにいる参加者だけで最適化しすぎた結論が出すぎないように、常に新鮮な情報の共有方法や、物事の最終決定のフローなどを明確化していかないと、結構怖いことになりそう、という不安も個人的にはある。ただ、あまり固いフローになりすぎると「承認制」みたいになって自由が奪われていくのでこれも気をつけなければいけない。
こういう風に「全員のリソースをいっぱい使っている」という意識をちゃんと持ち、定例会議を見直すことで、小さいけども効率は上がり、ストレスが少なくなる。組織を大きくしていくとはこういうことなのだなーというのを最近感じまくっている。
また、組織を大きくすることでメリットはあるがデメリットも至る所で噴出してくるので、随時対処していかなくてはいけないし、最高の状態を作り上げるのにはまだまだ時間がかかりそうだ。
あと、この話とはあまり関係ないが、会議の場で個人的に実施しているルールがある。
- PCは持ち込むが、基本的には閉じておく
- 他人が発言したりしている状況では必要以上にうざいくらい相槌や返事をする
- 言いたいことがある場合は、意見が温かいうちに忘れないようにすぐメモに取り(PCをパカっと開く)、タイミングを見計らい挙手して大きい声で発言する
- 発言するときに強い・刺激的な言葉は使わないようにできるだけ発する言葉を工夫する
- ただし、刺激的にしたくないからといって、あえてわかりにくくぼやかすようなことはしない(バランス大事)
組織として効率的な最高の会議のやり方、とかはまあその都度改善していけばいいけど、みんなが個々人でやっている・考えている会議に望む時のこういうちょっとした姿勢とか個人ルールみたいなのもあれば、どんどん実践していきたいので教えて欲しい。